奥田誠一

没年月日:1955/10/27
分野:, (学)

文化財専門審議会専門委員奥田誠一は、10月27日動脈硬化症に肺炎を併発し、東京都台東区の自宅で逝去した。享年73歳。明治16年6月15日三重県津市に生れた。号次郎坊。同43年東京帝国大学文科大学心理学科を卒業、同45年同心理学教室副手、大正3年同美術史研究室の副手となつた。同11年特許局技師兼農商務省技師に任ぜられ、昭和2年特許局意匠課長に進み、同17年退官した。この間、大正13年宮内省御物管理委員会臨時委員、昭和4年国宝保存会委員、同8年重要美術品等調査会委員、同25年文化財専門審議会専門委員となつて重要文化財の保護に尽瘁した。また帝室博物館学芸委員、国立博物館調査委員をもつとめ、さらに東京帝国大学文学部美学美術史学科講師、東京工業大学窯業学科講師として後進を指導した。また大正13年には自ら東洋陶磁研究所を創設して東洋陶磁の研究、鑑賞のために尽力し、別に古陶磁研究会、彩壷会、亦楽会等に関係し、名実共に東洋陶滋研究、鑑定の第一人者であつた。主な編著書に「陶磁器百選」(便利堂)「東洋陶磁集成」(東洋陶磁研究所)「日本工芸史概説」(雄山閤)「呉須赤絵」(座右宝)「陶器の読み方」(創芸社)「陶器大学」(座右宝)「茶碗談義」(創芸社)「異説天目考」(座右宝)「安南古陶磁図録」(同上)「日本の陶磁」等がある。

出 典:『日本美術年鑑』昭和31年版(155頁)
登録日:2014年04月14日
更新日:2023年09月13日 (更新履歴)

引用の際は、クレジットを明記ください。
例)「奥田誠一」『日本美術年鑑』昭和31年版(155頁)
例)「奥田誠一 日本美術年鑑所載物故者記事」(東京文化財研究所)https://www.tobunken.go.jp/materials/bukko/8952.html(閲覧日 2024-11-03)

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