野田英夫

没年月日:1939/01/12
分野:, (洋)

新制作派協会の会員として近年注目されてゐた野田英夫は1月12日病気のため逝去した。日系米国市民で1910年3月3日北米加州サンノゼ市に生れた。桑港加州美術学校に入学し、当時スタツクポール、マキー、アーナルド・ブランチに師事し、尚デエゴ・リベラに壁画の指導を受けたことがある。31年ブランチの招聘により紐育ウツドスタツクに行き、同地で国吉康雄、ユージン、スパイカー、グローツ、リユーサ等を知り、壁画、テンペラ画の研究製作に従つた。34年日本を訪れ翌年銀座青樹社に個展を開催、又ニ科会に出品した。37年母校の加州ピドモント・ハイスクールの壁画を製作、次で欧州を遍歴し、9月帰朝、新制作派協会の会員となつた。米国に於ける展覧会ではウツドスタツク美協会展、ニユーヨーク・ホイツトニイ全米作家展、シカゴ・アートインステチユート展、桑港美術協会展、ワシントンココランギヤラリー展等に出品、度々授賞せられてゐる。油絵の外に壁画を得意とし、米国に多数の作品を残してゐるが、来朝後は新制作派展に出品し、好んで小市民的な題材に幻想を求めた特異な画風を示してゐた。尚、本年度の新制作派展に遺作の特別陳列が行はれ、11月に春鳥会より「野田英夫作品集」が刊行された。

出 典:『日本美術年鑑』昭和15年版(118頁)
登録日:2014年04月14日
更新日:2023年09月13日 (更新履歴)

引用の際は、クレジットを明記ください。
例)「野田英夫」『日本美術年鑑』昭和15年版(118頁)
例)「野田英夫 日本美術年鑑所載物故者記事」(東京文化財研究所)https://www.tobunken.go.jp/materials/bukko/8500.html(閲覧日 2024-04-25)

以下のデータベースにも「野田英夫」が含まれます。

外部サイトを探す
to page top