福島金一郎

没年月日:1994/01/31
分野:, (洋)

二科会理事の洋画家福島金一郎は1月31日午前8時30分、心不全のため東京都大田区の木村病院で死去した。享年96。明治30(1897)年12月16日岡山県勝田郡勝間町字勝間田704に生まれる。大正4(1915)年岡山県立勝間田農学校を卒業し、同15年神戸仏語学校を卒業、同年第13回二科展に「風景」「堂徳山風景」「海の見える庭園」で初入選。大阪信濃橋研究所で小出楢重、鍋井克之に師事し、上京後はアテネ・フランセでフランス語を学ぶ一方、太平洋画会研究所に通う。昭和3(1928)年フランスに渡り、アカデミー・ランソンでピシエールに師事、後ボナールの教えも受ける。同4年サロン・ドートンヌに「街」で初入選、サロン・デ・ザンデパンダンにも出品する。同3年帰国。同10年第22回二科展に「樹下」「五月の森」「田園」を出品し特待となり、同12年第24回同展に「畠」「緑の風景」「山の家」を出品して同会会友に推される。同14年、第26回同展に「山村」「鹽屋風景」「海辺の庭」を出品して推奨となる。同16年第28回展に「海の見える叢」「山の家」を出品して同会会員に推される。その後も二科展に出品する。共にフランスの画壇でも活躍。同35年サロン・コンパレゾン出品のため渡仏し約1年間滞仏。同40年第50回二科展に「すてきな橋」などを出品して、会員努力賞受賞、同41年渡仏、同48年第58回同展に「公園の人々(B)」「公園の人々(A)」「リュクサンブール公園」を出品して、青児賞を受ける。同51年サロン・ドートンヌ会員となる。同56年第66回二科展に「公園の人々」「パリの街角」を出品して、内閣総理大臣賞を受賞した。公園など人の集う場所の情景を好み、明るい色調を示した。

出 典:『日本美術年鑑』平成7年版(337-338頁)
登録日:2014年04月14日
更新日:2023年09月13日 (更新履歴)

引用の際は、クレジットを明記ください。
例)「福島金一郎」『日本美術年鑑』平成7年版(337-338頁)
例)「福島金一郎 日本美術年鑑所載物故者記事」(東京文化財研究所)https://www.tobunken.go.jp/materials/bukko/10596.html(閲覧日 2024-03-28)
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