藤島茂

没年月日:1990/12/20
分野:, (彫)

二紀会委員の彫刻家藤島茂は12月20日午前5時21分、肺がんのため神奈川県横須賀市の横須賀共済病院で死去した。享年76。大正3(1914)年8月7日北海道札幌市に生まれる。本名板坂茂。札幌市豊水小学校高等科を卒業し、昭和15年より松村外次郎に師事する。同17年第29回二科展に「K氏の顔」で初入選。戦後も同21年より再興された二科展に出品したが、同27年より二紀展へ転じ、同年「女」で褒賞受賞。同33年第12回二科展に「作品」を出品して再び褒賞を受ける。同36年第15回同展に「今日の人間像」を出品して同人賞、同46年第25回同展では「闘」で再び同人賞を受賞し会員に推挙された。同53年第32回二紀展に「シャモ」を出品して宮本賞、翌54年同展には「片目になったシャモ」「ねこ」を出品して文部大臣賞を受けた。木彫、石彫、塑像と多彩な技法を修得し、同35年神奈川県鷹取山磨崖仏を制作、同56年には杉並区阿佐谷世尊院内弘法大師像、同63年には豊島区金剛院弘法大師像を制作するなど、伝統的仏像の分野でも活躍する一方、シャモ、牛等の動物を得意として、勢いのある作風を示した。
二紀展出品歴
第6回(昭和27年)「女」、7回「女」、8回「女」、9回(同30年)「静子の首」、10回「いなばの白兎」、11回「人魚誕生」、12回「作品」、13回「母子像」、14回(同35年)「愛児」、15回「今日の人間像」、17回「慟哭」、18回「聖火」、19回(同40年)「母子」、20回「杭」、23回「憩」、24回(同45年)「こばかま(シャモ)」、25回「闘」、26回「シャモ」、27回「シャモ」、28回「シャモ」、29回(同50年)「娘」「夏(シャモ)」、30回「朱雀」、31回「シャモ」、32回「シャモ」、33回「片目になったシャモ」「ねこ」、34回(同55年)「オット失敗」、35回「カボチャ(シャモ)」、36回「夏(シャモ)」「ねこ」、37回「シャモ」、38回「手羽鎌(シャモ)」、39回(同60年)「牛」、40回「牛」、41回「作品」、42回「シャモ」、43回(平成元年)「炎」、44回「想」

出 典:『日本美術年鑑』平成3年版(328-329頁)
登録日:2014年04月14日
更新日:2023年09月13日 (更新履歴)

引用の際は、クレジットを明記ください。
例)「藤島茂」『日本美術年鑑』平成3年版(328-329頁)
例)「藤島茂 日本美術年鑑所載物故者記事」(東京文化財研究所)https://www.tobunken.go.jp/materials/bukko/10335.html(閲覧日 2024-03-29)
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