井上覺造

没年月日:1980/01/21
分野:, (洋)

二科会常務理事の洋画家井上覺造は、1月21日食道狭さく症のため兵庫県尼崎市の関西労災病院で死去した。享年75。1905(明治38)年1月13日、大阪市南区に生まれ、天王寺中学を経て1928年神戸商科大学を卒業。信濃橋洋画研究所で小出楢重に師事し、30年第17回二科展に「海浜風景」が初入選し、以後同展へ出品を続け、39年第26回展に「作品A」など3点を出品し特待となり、九室会に所属する。41年に二科会会友に推挙され、翌年第29回展に「立華」を出品し二科賞を受賞。戦後の45年二科会再組織と同時に二科会会員となり、51年第36回展に「詩人A」「詩人B」で会員努力賞を受賞、55年には二科会理事となる。また、57年にはインド・ビエンナーレ、60年コンパレゾン展、61年にはメキシコ・オーデトリオ・ナショナルに出品する。72年第57回二科展出品作「猟人日記」で青児賞を、77年第62回展出品作「文明批判序説」で総理大臣賞をそれぞれ受賞し、78年から二科会常任理事をつとめる。この間、52年以来20数回にわたって欧米諸國を巡遊した他、高島屋、梅田画廊、フジヰ画廊等でしばしば個展を開催する。

出 典:『日本美術年鑑』昭和56年版(237頁)
登録日:2014年04月14日
更新日:2023年09月13日 (更新履歴)

引用の際は、クレジットを明記ください。
例)「井上覺造」『日本美術年鑑』昭和56年版(237頁)
例)「井上覺造 日本美術年鑑所載物故者記事」(東京文化財研究所)https://www.tobunken.go.jp/materials/bukko/10178.html(閲覧日 2024-04-25)

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