田村一男

没年月日:1997/07/10
分野:, (洋)

 洋画家で、文化功労者の田村一男は、7月10日午前5時48分、心不全のため新宿区の病院で死去した。享年92。明治37(1904)年12月4日、東京府豊多摩郡中野町に生まれる。大正13(1924)年、磯谷商店に入店し、額縁作りに従事し、また岡田三郎助が主宰する本郷絵画研究所に入り、絵画を学んだ。昭和3(1928)年、第9回帝展に「赤山の午後」を初出品して、初入選をはたした。同6年、第18回光風会展に、「松の木風景」など3点が入選し、翌年磯谷商店を退き、中野区江古田にアトリエを構え、ここで終生制作をつづけることになる。同15年、光風会会員となり、同21年には同会の事務所を引継ぎ、自宅においた。また、同年の第2回日展に「高原初秋」を出品、特選となった。44年、社団法人日展の改組により、理事となり、後に参事、顧問をつとめた。同38年、第19回日本芸術院賞を受賞。同55年、日本芸術院会員となる。同57年、朝日新聞社より、「田村一男画集」を刊行。同61年には、長野県信濃美術館において「信州の風景画 田村一男・心象画の世界」展が開催された。平成4(1992)年、文化功労者に選ばれた。一貫して、山岳風景画を制作し、それは次第に写実性をはなれ、簡潔な構成と深い色彩による象徴的な風景画へと展開し、独自の恬淡とした画風を形成して評価された。

出 典:『日本美術年鑑』平成10年版(397頁)
登録日:2014年04月14日
更新日:2015年12月14日 (更新履歴)
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