本データベースは東京文化財研究所刊行の『日本美術年鑑』に掲載された物故者記事を網羅したものです。 (記事総数 3,120 件)





海老名正夫

没年月日:1980/01/04

日本画家の海老名正夫は、1月4日肝硬変のため、京都市左京区の自宅で死去した。享年66。1913(大正2)年6月21日、やはり画家であった海老名長紅を父に、京都に生まれた。京都市立美術工芸学校を33年に卒業したのち、京都市立絵画専門学校に入学し、35年卒業、同校研究科に進む一方、菊池契月に師事した。40年に研究科を卒業し、その間37年の第1回新文展に「爽(さわやか)」で初入選している。55年に契月が没したのち宇田荻邨に師事し、白申社の結成にも参加した。主に日展・京展に出品し、日展では53年に白寿賞、56・70年にそれぞれ特選・白寿賞を受け、72年から委嘱出品となった。また58年には京都御所の小御所襖絵を揮毫し、前後して紫宸殿額を復元している。女性を描き続け、日展の特選となった「水田」「田植の女」が示す存在感ある素朴な女性像から、近年は華やかな舞妓姿へと対象を変えているが、一貫して平明で温かな人間性をたたえている。

鎌田糸平

没年月日:1980/01/01

水墨画家鎌田糸平は、1月1日肝臓ガンのため神戸市の神戸労災病院で死去した。享年64。静岡県引佐郡に生まれ、水墨画家水越松南に師事した。1975年フランス芸術国際フェスティバルでグランプリを受賞し、1976年8月山田無文老師とパリで作品展を開いた。画業の一方神戸三宮でしにせのウナギ店「糸平」も経営した

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