山下寿郎

没年月日:1983/02/02
分野:, (建)

工学博士、日本建築士事務所協会連合会名誉会長の建築家山下寿郎は、2月2日午後2時45分、肺炎のため、東京都文京区の自宅で死去した。享年94。明治21(1888)年4月2日、山形県米沢市に生まれる。同45年東京帝国大学工科大学建築学科を卒業。同年三菱合資会社技師となり、芝浦製作所、三井合名会社の建築事務嘱託を経て昭和3年山下寿郎建築事務所を創立。同23年株式会社山下寿郎設計事務所に組織変更し同社長となり、同34年取締役会長となる。同49年同事務所を株式会社山下設計に再び組織変更し同最高顧問となり、同56年同名誉顧問となった。この間、大正6年アメリカ、カナダに渡り、同39、42年欧米を、同46年オーストラリアを、翌年アメリカを訪れる。また、東大工学部(1920~48年)、秋田鉱山専門学校(1925~27年)で講師として教鞭をとる。同26年一級建築士、同39年工学博士となる。通産省日本工業標準調査会委員、建設省中央建築士審議会委員、日本建築設計監理協会々長、日本建築士会連合会理事をつとめ、日本建築学会名誉会員となる。同47年勲三等旭日中綬章受章。代表作には宮城県民会館、両羽銀行千葉寮(以上1964年、日本科学防火協会優秀防火建築賞)、東北学院大学七北田学生寮(1967年、同賞)、仙台市庁舎(1967年、建築業協会賞)、日本初の超高層霞ケ関ビル(1969年、同賞及び日本建築学会賞)、岡山市庁舎(1970年、建築業協会賞)、高槻市庁舎(1972年、同賞)、NHK放送センター(1972年)などがある。また、『報酬加算式建築施工契約制度』(1966年、彰国社)を著している

出 典:『日本美術年鑑』昭和59年版(296頁)
登録日:2014年04月14日
更新日:2023年09月13日 (更新履歴)

引用の際は、クレジットを明記ください。
例)「山下寿郎」『日本美術年鑑』昭和59年版(296頁)
例)「山下寿郎 日本美術年鑑所載物故者記事」(東京文化財研究所)https://www.tobunken.go.jp/materials/bukko/9903.html(閲覧日 2024-04-20)

以下のデータベースにも「山下寿郎」が含まれます。
to page top