蓮實重康
美術史家、東海大学教授、文学博士蓮實重康は、肝臓腫瘍のため1月11日東京大学附属病院で死去、享年73。1904(明治37)年5月30日、東京市麻布に生まれ、静岡県立静岡中学、静岡高等学校を経て、30年京都帝国大学文学部哲学科(美学美術史専攻)卒業、大学院に入学、32年東京帝室博物館美術課嘱託、36年帝室博物館鑑査官補に任官、41年帝室博物館鑑査官に昇任、50年国立博物館より文化財保護委員会事務局保存部美術工芸課に転任した。その間、前後4回軍務に服し、終戦をビルマのラングーンで迎え、46年帰還した。49年美術史学会創立により2年間学会代表となり、52年奈良国立博物館学芸課長に就任、54年度京都大学文学部に講師として出講、57年京都大学文学部助教授に転任、60年教授に昇任、61年文学博士の学位を授与され、68年定年退官、東海大学教授に就任した。その間、奈良学芸大学、広島大学に出講、海外ではコペンハーゲン、ボン、ミシガンの各大学で講義し、また京都大阪両府の文化財専門委員を委託された。
研究の領域は多方面に亙が、その中心は日本の中世近世絵画史であり、京都大学における講義もその分野に集中している。主著は「雪舟等楊新論-その人間像と作品-」(1977年、朝日出版社)。1960年文化財保護に尽力した功績により文化財保護委員会より表彰され、78年勲三等に叙し、瑞宝章を授けられた。
登録日:2014年04月14日
更新日:2023年09月13日 (更新履歴)
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例)「蓮實重康」『日本美術年鑑』昭和55年版(259-260頁)
例)「蓮實重康 日本美術年鑑所載物故者記事」(東京文化財研究所)https://www.tobunken.go.jp/materials/bukko/9739.html(閲覧日 2024-10-15)
例)「蓮實重康」『日本美術年鑑』昭和55年版(259-260頁)
例)「蓮實重康 日本美術年鑑所載物故者記事」(東京文化財研究所)https://www.tobunken.go.jp/materials/bukko/9739.html(閲覧日 2024-10-15)
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