広野殷生

没年月日:1972/02/29
分野:, (洋)

洋画家春陽会会員広野殷生は3月6日に都内大田区の自宅で死去しているのが発見され、2月末に没したと推定された。享年55才。1919年(大正8)6月25日に静岡県に生れた。生家は古くから旅館を営んでいたが、1935年頃、軽い胸部疾患で郷里ですごしているときに描いた作品を地方美術展に出品して特選となったのがきっかけで、両親にそむいて東京にでて苦学しながらの画家生活に入った。1938年から1945年まで兵役についた。1949年に毎日連合展出品。1950年中部春陽会賞受賞。その後まもなく米国に渡り、コロンビア大学に留学し53年に帰国。この年春陽会会員となる。この間「カリフォルニヤ美術展」と「米国共進会美術展」に出品、「特選」と自ら記している。1954年フランスにゆき、パリの美術学校に留学したという。56年帰国。57年に春陽会で滞欧作を発表。同年東京銀座松坂屋で、また名古屋県立美術館で、58年には大阪フォルム画廊で滞欧作の個展。1959年から60年にかけてポルトガルと香港にゆく。61年度早稲田大学講師。1958年荒木季夫の編集する「造型」誌(第4巻6号)に特集号として取上げられた。

出 典:『日本美術年鑑』昭和48年版(63頁)
登録日:2014年04月14日
更新日:2023年09月13日 (更新履歴)

引用の際は、クレジットを明記ください。
例)「広野殷生」『日本美術年鑑』昭和48年版(63頁)
例)「広野殷生 日本美術年鑑所載物故者記事」(東京文化財研究所)https://www.tobunken.go.jp/materials/bukko/9411.html(閲覧日 2024-04-18)
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