佐々木良三

没年月日:1962/04/27
分野:, (洋)

二科会会員佐々木良三は4月27日腸疾患のため京都府立病院で死去した。享年53才。明治42(1909)年に京都市に生れ、昭和7(1932)年島津マネキン製作所に入社し、戦後21年には吉忠株式会社に勤務して以来晩年まで企画やデザインに腕を振った。昭和8年独立美術京都研究所が設立されたとき、しばらく通って絵画を学んだが、昭和22年から二科展に出品入選し、同25年には二科35周年記念賞を受賞した。26年に二科会友、30年に会員となった。事務的な才能にも優れていたために会の運営にも積極的に貢献した。36年に吉忠企画部から海外視察に渡欧し、意欲的な滞欧作をもたらしたが、その翌年病いをえて没した。デザイナーらしい近代的なしゃれた軽快さの中にロマンティックな趣きをこめた作品が多いが、晩年には一種の重厚さを加えてきたところであった。「二科展出品作品目録」昭和25年35回「街」「駐車場」「スキー」「春の野山へ」。36回「たばこ」「アトリエの女」「階段をおりる女」「窓による女」。37回「冬の街」「女」、商業美術部3点。38回「作品A」「作品B」、商業美術部出品3点。39回「オフィスA」「オフィスC」。40回「作品B」「織布の人達」、41回「街」「街角」「スタジオ」。42回「秋」「春」。43回「易2」「顔」「易1」。44回「蝶の花束」「黒い裸女」「蟻の群れ」。45回「Andro meda」「黄色い壷」。46回「古城の門」2点
 附記。昭和38年4月吉村勲・中川保夫・佐々木雅人編集の54人の友人親族の執筆になる「追憶」が出版された。

出 典:『日本美術年鑑』昭和38年版(138頁)
登録日:2014年04月14日
更新日:2023年09月13日 (更新履歴)

引用の際は、クレジットを明記ください。
例)「佐々木良三」『日本美術年鑑』昭和38年版(138頁)
例)「佐々木良三 日本美術年鑑所載物故者記事」(東京文化財研究所)https://www.tobunken.go.jp/materials/bukko/9134.html(閲覧日 2024-04-18)
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