吉田源十郎
漆工芸家、日展参事吉田源十郎は、胃潰瘍のため、4月4日世田谷区の自宅で逝去した。享年62歳。明治29年3月20日高知県安芸郡に生れ、石井士口(吉次郎)に師事し、漆芸を学び大正8年東京美術学校漆工科選科を卒業した。昭和2年第8回帝展にはじめて工芸部が設置されたが、翌年の第9回帝展で「麦の棚」が初入選となつた。その後連続入選し、昭和5年第11回展出品の「泉の衝立」、第14回展「トマトの図棚」は特選となり、昭和12年第1回文展の審査員となつた。昭和期の文展では17年、18年と審査員に推され、18年文展出品の「梅蒔絵飾棚」は芸術院賞(第2回)となつた。23年から金沢美術工芸短期大学教授に任命され、戦後の日展では審査員、参事の役をつとめていた。また、昭和12年造幣局嘱託となつたこともあり、戦後、目本漆工芸会を主宰、会長として漆工芸の発展に尽力していた。
出 典:『日本美術年鑑』昭和34年版(150頁)登録日:2014年04月14日
更新日:2023年09月13日 (更新履歴)
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例)「吉田源十郎」『日本美術年鑑』昭和34年版(150頁)
例)「吉田源十郎 日本美術年鑑所載物故者記事」(東京文化財研究所)https://www.tobunken.go.jp/materials/bukko/8794.html(閲覧日 2024-12-02)
例)「吉田源十郎」『日本美術年鑑』昭和34年版(150頁)
例)「吉田源十郎 日本美術年鑑所載物故者記事」(東京文化財研究所)https://www.tobunken.go.jp/materials/bukko/8794.html(閲覧日 2024-12-02)