溝口禎次郎
帝室博物館美術課長溝口禎次郎は5月25日夜の爆撃によつて牛込の自邸で焼死した。享年74。号は鳩峯、又は宗文、明治5年7月18日京都府綴喜郡に生れ、22年東京美術学校第一期生として日本画科に入学、27年卒業し、一時大阪府第四尋常中学の教師となつたが、まもなく博物館に入り、29年には臨時全国宝物取調局臨時鑑査掛を嘱託された。以後最後まで博物館員として国宝保存事業に、鑑識方面に、また蒐集家として活躍した。その間明治42年には日英博覧会のため英国に出張、大正4年以来東京帝室博物館美術課長となり、13年には国宝保存会の委員、昭和8年には重要美術品等調査委員会の委員におされた。昭和11年にはボストンに於ける日本美術展のため米国にゆき、その後も健在であつたが不慮の死を遂げたものである。その蒐集した美術品は前九年合戦絵巻などの名品がふくまれ著名であつた。
出 典:『日本美術年鑑』昭和19・20・21年版(101-102頁)登録日:2014年04月14日
更新日:2023年09月13日 (更新履歴)
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例)「溝口禎次郎」『日本美術年鑑』昭和19・20・21年版(101-102頁)
例)「溝口禎次郎 日本美術年鑑所載物故者記事」(東京文化財研究所)https://www.tobunken.go.jp/materials/bukko/8728.html(閲覧日 2024-10-07)
例)「溝口禎次郎」『日本美術年鑑』昭和19・20・21年版(101-102頁)
例)「溝口禎次郎 日本美術年鑑所載物故者記事」(東京文化財研究所)https://www.tobunken.go.jp/materials/bukko/8728.html(閲覧日 2024-10-07)
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- ■美術界年史(彙報)
- 1937年03月 郵便切手図案審査委員会設置
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