村木明

没年月日:2017/01/17
分野:, (評)
読み:むらきあきら

 美術評論家の村木明は、1月17日に没した。享年88。
 1929(昭和4)年1月11日、岐阜県に生まれる。51年、名古屋外国語専門学校(現、南山大学)フランス語科を卒業。54年、早稲田大学政治経済学部を卒業。71年頃から74年まで、『読売新聞』に美術批評、美術に関する記事を寄稿。また、『みづゑ』に「海外短信」として海外の最新の美術動向を伝える記事を連載し、同時に各美術雑誌に展覧会評などを寄稿した。執筆活動の他、70年代から80年代には「ヴュイヤール展」(西武美術館、1977年)、「ヘンリー・ムーア 素描と彫刻展」(西武美術館、1978年)、「アンドリュー・ワイエス展」(三越、日本橋、1978年)、「ルノワール展」(伊勢丹美術館、1979年)などをはじめとして、東京都内のデパートなどを会場とした美術展の監修にもあたり、カタログへ寄稿した。また、読売新聞社主催の「日本秀作美術展」では、79年の第1回展から2003(平成15)年の第25回展まで、監修、審査にもあたった。
 主な編著作、翻訳は下記の通りである。
(翻訳)『アメリカン・ノスタルジア2 マックスフィールド・パリッシュ』(PARCO出版局、1975年)
(翻訳)『アメリカン・ノスタルジア4 ハワード・パイル』(同前、1976年)
(翻訳)『アメリカン・ノスタルジア6 トーマス・ハート・ベントン』(同前、1976年)
座右宝刊行会編『現代日本の美術8 国吉康雄・三岸好太郎』(国吉康雄を担当)(集英社、1976年)
(翻訳)マドレーヌ・ウール著『名画の秘密 ルーヴル美術館 絵画の科学的探究』(求龍堂、1976年)
『アメリカ近代美術の展開 コマーシャル・アートの黄金時代を築いた作家たち』(美術公論社(芸術叢書)、1978年)
『現代日本画全集 第10巻 橋本明治』(集英社、1982年)
(解説)『中山忠彦画集』(求龍堂、1983年)
『展覧会への招待 絵の百科事典』(読売新聞社、1984年)
(解説)『平山郁夫 私のスケッチ技法』(実業之日本社、2007年)
 なお、美術評論家としての活動の傍ら、『おわら囃子が風に乗る』(近代文芸社、1995年)をはじめ、『雪割草』(同前、2006年)、『季節風』(同前、2009年)など小説集も刊行している。

出 典:『日本美術年鑑』平成30年版(428頁)
登録日:2020年12月11日
更新日:2023年09月13日 (更新履歴)

引用の際は、クレジットを明記ください。
例)「村木明」『日本美術年鑑』平成30年版(428頁)
例)「村木明 日本美術年鑑所載物故者記事」(東京文化財研究所)https://www.tobunken.go.jp/materials/bukko/824136.html(閲覧日 2024-04-18)

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