柳原良平

没年月日:2015/08/17
分野:, (その他)
読み:やなぎはらりょうへい、 Yanagihara, Ryohei*

 サントリーのウイスキー「トリス」のキャラクター“アンクルトリス”のデザインで知られるイラストレーターの柳原良平は8月17日午前8時52分、呼吸不全のため神奈川県横浜市の病院で死去した。享年84。
 1931(昭和6)年8月17日、東京府豊多摩郡東田町(現、東京都杉並区)に生まれる。6歳の時に銀行員だった父の転勤で関西へ移り、少年時代を京都、西宮、豊中で過ごす。50年京都市立美術大学(現、京都市立芸術大学)工芸科(図案専攻)に入学。在学中にウィーン工房出身の上野リチによる色彩構成の講義を受け、後の切り絵を多用した作風に影響を及ぼす。54年同大学を卒業し、寿屋(現、サントリーホールディングス)大阪本社宣伝部意匠課に入社。翌年日本宣伝美術会に「トリス」のポスターを出品し、奨励賞を受賞。56年より、後に作家となる開高健や山口瞳が編集長を務めた寿屋のPR誌『洋酒天国』で表紙を担当。またテレビCMのキャラクター“アンクルトリス”を案出、動きを簡略化してデザイン的に処理したスタイルが注目された。56年に東京支社へ転勤、59年に寿屋を退社し嘱託となり、64年に開高、山口らと広告制作会社サン・アドを設立。この間、59年から翌年にかけて『朝日新聞』日曜版で漫画「ピカロじいさん」を連載。60年久里洋二、真鍋博と「アニメーション3人の会」を発足、実験アニメにも意欲をみせ、草月ホールで上映を行なう。また本の装丁も積極的に手がけるほか、絵本作家として、大胆なデフォルメの切り絵による『かお かお どんなかお』(こぐま社、1988年)等の絵本も制作。また少年時代より船舶に強い関心を寄せ、『柳原良平 船の本』(至誠堂、1968年、以後シリーズで1976年までに5冊出版)、『柳原良平 船の世界』(誠文堂新光社、1973年)等、船や港に関する著書を多数出版。商船三井や太平洋フェリーの名誉船長、日本船長協会の名誉会員を務めた。64年より横浜に住み、75年より横浜市中区のせんたあ画廊で、没年に至るまで継続的に個展を開催。77年横浜文化賞受賞。2001(平成13)年に横浜マリタイムミュージアム(現、横浜みなと博物館)で企画展「船の画家 柳原良平」が開催されている。

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出 典:『日本美術年鑑』平成28年版(547頁)
登録日:2018年10月11日
更新日:2019年06月06日 (更新履歴)
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