木之下晃

没年月日:2015/01/12
分野:, (写)
読み:きのしたあきら、 Kinoshita, Akira*

 写真家の木之下晃は1月12日虚血性心不全のため死去した。享年78。
 1936(昭和11)年7月16日、長野県諏訪郡上諏訪町(現、諏訪市上諏訪町)に生まれる。55年長野県諏訪清陵高校卒業。日本福祉大学社会福祉学部卒業後、中日新聞社、博報堂に勤務、広告写真などに携わる。音楽好きで演奏会に通ううちに、勤務地の名古屋で開催される音楽演奏会の記録撮影の仕事を得、それをきっかけに、音楽をめぐる写真の撮影を行うようになる。70年『音と人との対話 音楽家 木之下晃写真集』を自費出版、これにより71年日本写真協会賞新人賞を受賞。73年、フリーランスの写真家となる。
 初期は主としてポピュラー音楽の演奏会を対象に、広告写真での経験を生かし、ブレやゆがみなどの効果を駆使し「音の映像化」というテーマを追求したが、80年代にはクラシック音楽を対象に、音楽家の演奏中のポートレイトにとりくむ。その後、オフステージの音楽家たちの肖像や、音楽の歴史をたどる紀行、世界各地のコンサートホールや歌劇場など、音楽をとりまく幅広いテーマに仕事の領域を展開し、音楽写真家として国際的に高い評価を受けた。85年、『世界の音楽家』(全3巻、小学館、1984-85年)により第36回芸術選奨文部大臣賞、2005(平成7)年第55回日本写真協会賞作家賞、07年第18回新日鐡音楽賞特別賞を受賞。
 上記以外の主な写真集に『SEIJI OZAWA―小澤征爾の世界』(講談社、1981年)、『巨匠 カラヤン』(朝日新聞社、1992年)、『渡邊暁雄』(音楽之友社、1996年)、『朝比奈隆―長生きこそ、最高の芸術』(新潮社、2002年)、『カルロス・クライバー』(アルファベータ、2004年)、『武満徹を撮る』(小学館、2005年)、『マエストロ 世界の音楽家』(小学館、2006年)、『ヴェルディへの旅』(実業之日本社、2006年)、『MARTHA ARGERICH』(ショパン、2007年)、『石を聞く肖像』(飛鳥新社、2009年)、『最後のマリア・カラス』(響文社、2012年)、『栄光のバーンスタイン』(響文社、2014年)など。
 個展での発表も多く、06年には茅野市に代表作104点を寄贈したことを記念して「木之下晃写真展 世界の音楽家」(茅野市美術館)が開催された。

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出 典:『日本美術年鑑』平成28年版(525-526頁)
登録日:2018年10月11日
更新日:2019年06月06日 (更新履歴)
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