古橋悌二

没年月日:1995/10/29
分野:, (メディア・アーティスト)
読み:ふるはしていじ

 パフォーマンスグループ「ダムタイプ」の演出家でありパフォーマーのメディア・アーティスト古橋悌二は、10月29日午後2時45分、敗血症のため死去した。享年35。昭和35(1960)7月13日、京都市に生まれ、同55年京都市立芸術大学に入学、同61年同大学大学院構想設計科修士課程を修了。在学中の同59年に芸術集団「ダムタイプ(DUMB TYPE) 」を結成、活動を開始。この集団は、古橋を中心にデザイナー、作曲家、コンピュター・プログラマ一、ヴィジュアル・アーティストなどによって構成され、インスタレーション、パフォーマンス、ビデオ、出版など、多彩なメディアを駆使して、表現を展開することが目的とされていた。同63年、パフォーマンス「PLEASURE LIFE」により京都市芸術新人賞を受賞。このパフォーマンスは、国内だけではなく、ニューヨーク、ロンドン、コペンハーゲン等でも上演された。平成4(1992)年には、テクノロジーを駆使するはずの人間が、ロボット化していることを洗練された手法で表現したビデオドキュメント「pH」を発表、この作品も国内外で発表、上演され、イタリア、ドイツで受賞し、高く評価された。同年からは、エイズをめぐるさまざまな思考を、コンピューター・グラフィックスによる映像と、ノイズのはいった音楽、スクリーンに写しだされるメッセージ、そしてパフォーマンスによって構成された「S/N」を発表、同7年の第2回読売演劇大賞選考委員特別賞、日本文化デザイン賞を受賞した。同年、ニューヨーク近代美中術館のVideo Space展に出品されたインスタレーション「Lovers 永遠の恋人たち」が遺作となった。 

出 典:『日本美術年鑑』平成8年版(327-328頁)
登録日:2014年10月27日
更新日:2023年09月25日 (更新履歴)

引用の際は、クレジットを明記ください。
例)「古橋悌二」『日本美術年鑑』平成8年版(327-328頁)
例)「古橋悌二 日本美術年鑑所載物故者記事」(東京文化財研究所)https://www.tobunken.go.jp/materials/bukko/28135.html(閲覧日 2024-04-19)

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