暮田延美

没年月日:1995/04/02
分野:, (工,染)
読み:くれたのぶよし

 東京芸術大学名誉教授の染織家暮田延美は4月2日午後2時47分、肝不全のため神奈川県茅ヶ崎市の茅ヶ崎徳洲会病院で死去した。享年85。明治43(1910)年1月9日群馬県桐生市新宿一丁目411番に生まれる。大正14(1925)年群馬県立桐生中学校に入学し、昭和4(1929)年に同校を卒業して東京美術学校工芸科図案部に入学する。同9年3月に同校を卒業して同年6月より東京高島屋百貨店宣伝部に入るが同10年9月に退職して大阪府商工技手となり、府立工業奨励館に勤務する。同13年1月同館を退職して制作に入る。同15年東京高島屋の依頼によりサンフランシスコ万国博覧会日本館の室内装飾デザインを担当。同16年東京高島屋図案部の嘱託により創作梁繍図案の制作を行う。また同年文展に入選する。戦後は図案家として自営し染織、印刷、室内装飾を行い、同27年みやこ染桂屋株式会社に染織技術部長として在籍する。この間主婦の友社発刊の『染織手芸』、婦人画報社刊行の『染めもの全書』に執筆した。同35年『家庭百科事典』 (暁教育図書社出版)のうち染織全般を執筆。同42年8月東京芸術大学美術学部教授となり、同52年定年退職するまで同校で後進の指導にあたった。この間、同50年7月から8月までフランス、ドイツ、オーストリア、東欧諸国を訪れ、諸国の染織、デザインを調査している。

出 典:『日本美術年鑑』平成8年版(316-317頁)
登録日:2014年04月14日
更新日:2023年09月25日 (更新履歴)

引用の際は、クレジットを明記ください。
例)「暮田延美」『日本美術年鑑』平成8年版(316-317頁)
例)「暮田延美 日本美術年鑑所載物故者記事」(東京文化財研究所)https://www.tobunken.go.jp/materials/bukko/10535.html(閲覧日 2024-03-29)
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