谷口良三

没年月日:1996/06/07
分野:, (工)
読み:たにぐちりょうぞう

 日展評議員の陶芸家谷口良三は6月7日午後6時15分、肺がんのため京都市上京区の京都府立医科大病院で死去した。享年70。大正15(1926)年3月8日京都市東山区五条橋東6丁目に生まれる。昭和17年京都市立第二工業高校窯業科を卒業。同20年日本製鉄に勤務する。同22年四耕会を結成。翌23年京都陶芸家クラブに加入し六代清水六兵衛に師事する。同31年第5回現代日本陶芸展に「白釉線花器」を出品して第一席となる。同36年第4回日展に「線花器」を出品して北斗賞特選受賞。同39年国際陶芸展に「赫釉方壷」を招待出品する。同40年第9回日展に「碧象」を出品して菊華賞受賞。同47年ヨーロッパ、中近東に研修旅行し、同49年フランス、イタリア、スペインに赴く。同51年第62回光風会展で辻永記念賞受賞。同年東京日本橋三越本店ではじめての個展を開催する。同56年、平成3年にも同店で個展を開催。この間同52年岡山高島屋、同53年京都朝日画廊、同59年高砂市福祉センターなどで個展を開催。同56年京展に「樹想」を出品して須田賞受賞。平成元(1989)年京都府文化功労賞受賞。同2年日展評議員となり、同7年第27回日展に「夕照」を出品して内閣総理大臣賞を受賞した。同年高砂文化センターで個展を開催している。碧彩と呼ばれる独自の色合いの陶磁器を制作し、京焼に新風を吹き込んだ。昭和50年より60年まで新潟大学非常勤講師、同51年より平成6年まで金蘭短期大学非常勤講師をつとめ、後進の指導にあたった。

出 典:『日本美術年鑑』平成9年版(348-349頁)
登録日:2014年04月14日
更新日:2023年09月25日 (更新履歴)

引用の際は、クレジットを明記ください。
例)「谷口良三」『日本美術年鑑』平成9年版(348-349頁)
例)「谷口良三 日本美術年鑑所載物故者記事」(東京文化財研究所)https://www.tobunken.go.jp/materials/bukko/10521.html(閲覧日 2024-04-19)
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