猪田七郎

没年月日:1993/06/18
分野:, (洋)
読み:いのだしちろう

 イノダコーヒー社長、二科会会員、京都文教短期大学名誉教授の洋画家猪田七郎は6月18日午後6時57分、食道がんのため京都市上京区の京都府立医大病院で死去した。享年75。大正6(1917)年11月3日、京都市上京区に生まれる。京都の私立第二工業高校を中退。二科会の洋画家錦義一郎に師事し、昭和23(1948)年第33回二科展に初入選。同33年同会会友に推挙される。同37年3月から5月まで欧米を旅行。同年第47回二科展に京都祇園祭りの鉾を描いた「鉾」を出品して会員に推挙された。同38年3月、約1カ月間の中南米、北アメリカの旅に赴く。同42年第52回同展に「惑る物語」を出品して会員努力賞を受賞。京都市展、関西総合美術展にも出品した。仏像、伝統芸能など、日本の伝統的なものに取材する作品が多く、昭和40年代からは舞妓を主に描いた。画面の背景空間を簡略にして主要なモティーフを大きくとらえ、コントラストの強い明暗表現を特色とする作風を示した。同38年に京都家政短期大学服飾衣裳科講師となって油彩画を教え、同40年同大教授となったほか、京都文教短期大学でも教鞭をとった。

出 典:『日本美術年鑑』平成6年版(327頁)
登録日:2014年04月14日
更新日:2023年09月26日 (更新履歴)

引用の際は、クレジットを明記ください。
例)「猪田七郎」『日本美術年鑑』平成6年版(327頁)
例)「猪田七郎 日本美術年鑑所載物故者記事」(東京文化財研究所)https://www.tobunken.go.jp/materials/bukko/10457.html(閲覧日 2024-04-25)
to page top