渡辺正

没年月日:1993/05/27
分野:, (洋)
読み:わたなべただし

 独立美術協会会員の洋画家渡辺正は、5月27日午前9時35分、胆管がんのため東京都武蔵野市の病院で死去した。享年65。昭和3(1928)年5月14日、山形県西村山郡に生まれる。同23年、山形師範学校卒業、同30年武蔵野美術学校卒業、この年の第23回独立展に初入選する。また、同33年に初個展(東京銀座、ルナミ画廊)開催。同46年、及び翌年の第39、40回独立展において奨励賞を、さらに41回展では「二つの影」により独立賞と海老原賞を連続受賞する。その後も同展において受賞をかさね、同58年には同会会員となる。また、同51年の第12回現代日本美術展、同63年の第17回日本国際美術展にも出品した。代表作には、独立展に出品をつづけた「靜炎」のシリーズがあり、鮮やかな色彩のグラデーションによる明快な構成ながら、土着的な情念を感じさせる抽象絵画を残した。没後の平成6年6月には、郷里の山形美術館において「抽象の世界:渡辺正遺作展」が開催された。

出 典:『日本美術年鑑』平成6年版(326頁)
登録日:2014年04月14日
更新日:2023年09月26日 (更新履歴)

引用の際は、クレジットを明記ください。
例)「渡辺正」『日本美術年鑑』平成6年版(326頁)
例)「渡辺正 日本美術年鑑所載物故者記事」(東京文化財研究所)https://www.tobunken.go.jp/materials/bukko/10455.html(閲覧日 2024-04-20)
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