前田正範

没年月日:1992/04/29
分野:, (陶)

 日本新工芸家連盟評議員、光風会会員の陶芸家前田正範は、4月29日午後2時35分、多臓器不全のため京都市東山区の京都第一赤十字病院で死去した。享年63。昭和3(1928)年7月3日京都市に生まれる。本名正範。京都第二商業学校を卒業して、同28年京都陶芸家クラブに参加。6代清水六兵衛に師事する。同30年第11回日展に五雲の号で「青緑釉華器」を出品して初入選。翌年第12回展にも五雲の号で「緑釉花器」を出品。同年関西綜合美術展で受賞。同32年より正範の号を用いる。同年現代日本陶芸展朝日新聞社賞、京都工芸美術展知事賞を受け、京展でも受賞した。この頃は表面に多くの装飾をほどこした縄文土器風の作風を示したが、昭和30年代後半に入ると、左右非対称の形態等にプリミティブな要素は残しながら、より幾何学的で単純な製形を行なうようになった。同46年京展無鑑査となり、以後出品を依嘱される。同53年「明日をひらく日本の現代工芸展」に「條映」を出品して受賞。同年日本新工芸家連盟の設立に参加する。同54年同展に「蒼」を出品して同会会員に推されるとともに、同年第11回社団法人日展「砂丘にて」を出品して特選受賞。同60年第71回光風会展に「映」を出品して光風工芸賞を受け会員に推挙される。また、同年第18回日本新工芸展に「映」を出品して全日空賞受賞。同61年第18回社団法人日展に「朝陽」を出品して特選となり、同年日本新工芸家連盟評議員となった。同62年第9回日本新工芸展に「創」を出品して会員佳作賞、翌年同展に「揺」を出品して会員賞、平成4(1992)年第13回同展に「白映」を出品して会員賞を受けた。晩年は円筒、円錐型を変形させ左右非対称の単純な形態の表面を微妙に波打たせ、斬新な作風を示した。

出 典:『日本美術年鑑』平成5年版(316頁)
登録日:2014年04月14日
更新日:2015年12月14日 (更新履歴)
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