佐藤真一

没年月日:1982/02/11
分野:, (洋)

行動美術協会会員、武蔵野美術大学教授の洋画家佐藤真一は、2月11日午後3時30分、肺ガンのため、東京都狛江市の慈恵医大付属病院で死去した。享年67。1915(大正4)年12月8日、愛知県瀬戸市に生まれ、40(昭和15)年3月、京都大学経済学部を卒業する。京大在学中、美術部に属し、須田国太郎の指導を受け、37年第24回二科展に「黒衣坐像」で初入選する。同展には40年第27回展まで出品し、後、応召。終戦後、47年第2回展より行動美術協会に参加し、翌48年、同会会友に推挙され、52年、同会会員となる。57年渡仏し、パリを中心として1年あまり滞在する。帰国後、人物を主要モチーフとし、垂直、水平に物を配置する従来の構図をさらに充実させ、人間味あふれる作品を描いて画壇における位置を確かなものとする。74年4月より死去するまで武蔵野美術大学教授として教鞭をとる。76年9月、不慮の交通事故にあい、約2年間、制作活動の中断を余儀なくされ、78年ころから後遺症に苦しみながら制作を再開する。「男たち」(54年)、「浜」(56年第11回行動展出品)など、働き、生きることを見つめ、安定した構図と堅牢なマチエールを持つ作風を示す。

出 典:『日本美術年鑑』昭和58年版(266頁)
登録日:2014年04月14日
更新日:2023年09月13日 (更新履歴)

引用の際は、クレジットを明記ください。
例)「佐藤真一」『日本美術年鑑』昭和58年版(266頁)
例)「佐藤真一 日本美術年鑑所載物故者記事」(東京文化財研究所)https://www.tobunken.go.jp/materials/bukko/10143.html(閲覧日 2024-03-29)

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