山田栄二

没年月日:1985/07/05
分野:, (洋)

独立美術協会会員の洋画家山田栄二は、7月5日午後3時30分、甲状せんがんのため、福岡市の九州がんセンターで死去した。享年73。明治45(1912)年6月4日福岡県福岡市に生まれ、昭和5(1930)年県立修猷館を卒業。同8年二科展に初入選。翌9年第4回独立展に「静物」で初入選し、以後同展に出品を続ける。同13年第8回展に「貝殻」「恐怖」を出品して独立賞受賞。同18年同会会友、同22年同会員に推される。同28年渡欧しパリに学んで32年に帰国。同年の独立展に滞欧作を特別陳列する。翌年毎日新人展、朝日秀作展に出品。同48年再渡欧。フランスで個展をたびたび開く一方、49、51、52年に個展などのため一時帰国。同57年滞欧15年を記念して福岡で大個展を開く。絵画は純粋になる程に抽象性を増すが、人間の感性は自然から離れることはできないとし、具体的モチーフを用いながら実物写生から離れた色彩、構図を持つ詩的な作風を築いた。クレー、ミロ、シャガール等の影響が認められる。没後の昭和61年遺作画集が刊行され、福岡市美術館で遺作展が開かれた。
独立展出品略歴-5回(昭和10年)「窓際」「魚」、15回(同22年)「魚のある静物」「憩ひ」、20回(同27年)「月夜」「桐の実」「魚」、25回(同32年)「秋の巴里郊外」「静物」「旅愁」「花と廃屋」「黒の中の花」「シューブルーズの冬枯れ」「窓の花」「花と夜」「秋愁」「黄昏のカーニュ、シュールメール」「南欧の夢」「宵」「紫の花」「モンテカルロ」「赤の花」「群花」、30回(同37年)「作品A」「作品B」、40回(同42年)出品せず、45回(同52年)「花と教会」「菊一輪と果実」、50回(同57年)「花祭りの夜」「赤い空」

出 典:『日本美術年鑑』昭和61年版(254頁)
登録日:2014年04月14日
更新日:2023年09月13日 (更新履歴)

引用の際は、クレジットを明記ください。
例)「山田栄二」『日本美術年鑑』昭和61年版(254頁)
例)「山田栄二 日本美術年鑑所載物故者記事」(東京文化財研究所)https://www.tobunken.go.jp/materials/bukko/10090.html(閲覧日 2024-04-19)

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