福井良之助
淡雅、静謐な画風で広い支持を得た洋画家福井良之助は、7月9日午前8時32分、クモ膜下出血のため神奈川県相模原市の北里大学病院で死去した。享年62。大正12(1923)年12月15日、東京日本橋に生まれる。昭和11(1936)年聖学院中学校に入学し、光風会会員であった島野重之に師事。19年東京美術学校工芸科鋳金部を卒業する。21年第41回太平洋画会展に「みちのくの冬」で初入選、一等賞を受賞し、29年第18回自由美術家協会展に「窓」を出品して佳作賞を受ける。のち団体から離れ無所属となる。34年日本橋画廊で孔版版画による第1回個展を開きアメリカの画商らに認められ、37年ニューヨークのウエイ画廊で個展を開いたのをはじめとして海外でも作品を発表。36年より日本国際美術展、37年より現代日本美術展、東京国際版画ビエンナーレ展、38、40年リュブリアナ国際版画展に出品するなど版画家として知られるようになる。また、40年より国際形象展、47年より潮音会展に油絵を出品。渋く淡い色彩で花、風景、少女を描いて枯淡な詩情ある作風を示し、その素描力には定評があった。50年代には舞妓のシリーズを制作し虚実あいなかばする幻想的な美しさで新境地を開いた。『福井良之助作品集』(43年美術出版社、48年求龍堂、56年講談社)、素描集『鎌倉の道』(58年日本経済新聞社)が刊行されている。
出 典:『日本美術年鑑』昭和62・63年版(321-322頁)登録日:2014年04月14日
更新日:2023年09月13日 (更新履歴)
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例)「福井良之助」『日本美術年鑑』昭和62・63年版(321-322頁)
例)「福井良之助 日本美術年鑑所載物故者記事」(東京文化財研究所)https://www.tobunken.go.jp/materials/bukko/10075.html(閲覧日 2024-11-11)
例)「福井良之助」『日本美術年鑑』昭和62・63年版(321-322頁)
例)「福井良之助 日本美術年鑑所載物故者記事」(東京文化財研究所)https://www.tobunken.go.jp/materials/bukko/10075.html(閲覧日 2024-11-11)
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