永田一脩

没年月日:1988/04/09
分野:, (洋)

プロレタリア美術運動に参加し釣り史研究家としても知られた洋画家の永田一脩は、4月9日午前5時35分、肺線維病のため横浜市の神奈川県立長浜病院で死去した。享年84。明治36(1903)年11月11日、福岡県門司市に生まれる。大正12年東京美術学校西洋画科に入学。同期生であった大月源二らと共に前衛美術運動に参加し、未来派美術協会展などに出品。昭和2(1927)年東京美術学校を卒業し、同年11月に結成された前衛芸術家連盟(前芸)に参加する。3年3月全日本無産者芸術連盟(ナップ)の結成に参加。同年11月の第1回プロレタリア美術大展覧会に出品された「プラウダを持つ蔵原惟人像」は現存する数少ないプロレタリア美術の作例のひとつである。5年一斉検挙にあう。16年東京日日新聞社(現毎日新聞社)に入社。戦後は日本美術会会員となり日本アンデパンダン展などに出品する。33年毎日新聞社を停年退職。48年に初めて個展を開催。著書に『プロレタリア絵画論』『ドオミエ/クールベ/ゴッホ』のほか、釣り史研究による『江戸時代からの釣り』などがある。42年に創立された東京勤労者つりの会の会長を長くつとめた。

出 典:『日本美術年鑑』平成元年版(260頁)
登録日:2014年04月14日
更新日:2023年09月13日 (更新履歴)

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例)「永田一脩」『日本美術年鑑』平成元年版(260頁)
例)「永田一脩 日本美術年鑑所載物故者記事」(東京文化財研究所)https://www.tobunken.go.jp/materials/bukko/10057.html(閲覧日 2024-04-20)

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