和気史郎

没年月日:1988/04/27
分野:, (洋)

独立美術協会会員の洋画家和気史郎は、4月27日午前9時、肺気腫のため大阪市阿倍野区で死去した。享年62。大正14(1925)年8月29日、栃木県塩谷郡に生まれる。昭和12(1937)年栃木県塩谷町玉生尋常高等小学校を卒業。21年宇都宮師範学校本科を卒業する。27年東京芸術大学油画科を卒業。安井曽太郎に師事する。30年第23回独立展に「女」で初入選。以後同展に出品を続け、31年第24回展に「夜の誘惑」「夜の対話」を出品してプール・ブー(奨励)賞、翌年第25回展に「分裂」「抵抗」を出品して独立賞、33年第26回展に「紫野」「翁」を出品して広び独立賞を受け、翌34年同会会員となる。能面や能舞台など能にちなむ主題を多く選び、写実にもとづきながら妖気漂う夢想的世界を描き出した。57年大阪府立現美センターで回顧展が開かれている。

出 典:『日本美術年鑑』平成元年版(261頁)
登録日:2014年04月14日
更新日:2023年09月13日 (更新履歴)

引用の際は、クレジットを明記ください。
例)「和気史郎」『日本美術年鑑』平成元年版(261頁)
例)「和気史郎 日本美術年鑑所載物故者記事」(東京文化財研究所)https://www.tobunken.go.jp/materials/bukko/10055.html(閲覧日 2024-10-16)
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