宮下善寿

没年月日:1988/05/09
分野:, (工,陶)

日展参与の陶芸家宮下善寿は、5月9日午後8時、肺ガンのため、京都市東山区の京都第一赤十字病院で死去した。享年86。明治34(1901)年6月13日、京都市東山区に生まれる。本名善寿。大正5(1916)年、京都市立陶磁器伝習所でろくろ成形技術を学ぶ。兵役を経て昭和元(1926)年、京城市の高麗焼研究所に入り、朝鮮古窯に興味を抱く。翌2年帰国。4年より日本陶芸協会に参加して、その主宰者河村蜻山に師事。同12年第1回新文展に「瑠璃釉釣花器」で初入選後、同展、日展へと出品を続け、24年第5回日展に「陶器紅映瓷花壷」を出品して特選受賞、30年第11回日展でも「秋慶文盛器」により特選を受け、翌年第12回日展に無鑑査出品、33年第1回新日展では審査員をつとめる。34年、日展会員となる。卓抜なろくろによる成形技術をいかし、均整のとれたふくらみのある形体、独特の紫味を帯びた青釉を特色とする作品を多く製作する。50年には第9回改組日展に「白翠瓷飾瓶」を出品して内閣総理大臣賞を受賞。51年、京都府美術工芸功労者、56年京都市文化功労者に選ばれた。

出 典:『日本美術年鑑』平成元年版(264頁)
登録日:2014年04月14日
更新日:2023年09月13日 (更新履歴)

引用の際は、クレジットを明記ください。
例)「宮下善寿」『日本美術年鑑』平成元年版(264頁)
例)「宮下善寿 日本美術年鑑所載物故者記事」(東京文化財研究所)https://www.tobunken.go.jp/materials/bukko/9855.html(閲覧日 2024-03-29)
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