新村長閑子

没年月日:1983/05/14
分野:, (工,漆)

日本工芸会正会員で東京芸術大学教授をつとめた漆芸家新村長閑子は、5月14日午後9時20分、急性心不全のため東京都杉並区の河北総合病院で死去した。享年75。明治40(1907)年8月15日石川県金沢市に生まれる。本名撰吉。東京美術学校漆工科本科在学中の昭和8年、第14回帝展に「彩漆啼鳴★箱」で初入選。同年同科を卒業して福島県立会津工業学校教諭となる。同13年石川県工芸指導所漆工科長、同25年静岡県工芸指導所長となり、同28年東京芸術大学美術学部助教授に就任する。この間、帝、文、日展、日本伝統工芸展などに出品。同35年第7回日本伝統工芸展では「漆皮台盤」で受賞している。同47年東京芸大教授となり同50年退官、その後も旧教官として指導にあたった。同39年より日本工芸会理事をつとめる。漆皮を制作し、古典的で典雅な作品を多く生んだ。代表作には、受賞作のほか、同39年大阪四天王寺の依頼により制作した「漆皮宝相華文経箱」等がある。

出 典:『日本美術年鑑』昭和59年版(313頁)
登録日:2014年04月14日
更新日:2023年09月13日 (更新履歴)

引用の際は、クレジットを明記ください。
例)「新村長閑子」『日本美術年鑑』昭和59年版(313頁)
例)「新村長閑子 日本美術年鑑所載物故者記事」(東京文化財研究所)https://www.tobunken.go.jp/materials/bukko/9833.html(閲覧日 2024-04-20)
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