森山虎雄

没年月日:1980/02/01
分野:, (工,染織)

重要無形文化財久留米絣技術保持者の森山虎雄は、食道ガンのため、2月1日久留米大学医学部付属病院で死去した。享年70。1909(明治42)年6月18日、福岡県八女郡に生まれた。森山家は百年近く久留米絣を続けている家で、虎雄はその3代目である。久留米絣が家業であったため、幼時より手伝い、見よう見まねで覚えることも多かったが、1925(大正14)年、16歳の時から本格的に仕込まれた。男物の細かい柄の藍染の技法を得意とし、1959(昭和34)年5月に重要無形文化財技術保持者に認定(1976年法改正でグループ指定)された。製作面では、1952(昭和27)年に全国織物コンクールで特選・国務大臣賞受賞、1955(昭和30)年に福岡県絣検査実施記念特賞受賞、1965(昭和40)年3月に全国織物大会で銀賞受賞、1974(昭和49)年10月に全国織物産地部会長賞受賞、新柄コンクールでも昭和46年・47年・48年・50年・52年に久留米市長賞・日本繊維新聞社賞・久留米絣連合会長賞・繊維新聞社賞等を受賞し、技術の保存、より良い製品、時代に即した柄の研究と努力を重ねた。また後継者養成にも技術指導・技術保存にも熱意を持って当り、多数の秀れた技術者を育てた。日本工芸会正会員、重要無形文化財久留米絣技術保持者理事、財団法人久留米絣技術保存会理事。

出 典:『日本美術年鑑』昭和56年版(241頁)
登録日:2014年04月14日
更新日:2023年09月13日 (更新履歴)

引用の際は、クレジットを明記ください。
例)「森山虎雄」『日本美術年鑑』昭和56年版(241頁)
例)「森山虎雄 日本美術年鑑所載物故者記事」(東京文化財研究所)https://www.tobunken.go.jp/materials/bukko/9828.html(閲覧日 2024-03-28)
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