千葉あやの

没年月日:1980/03/29
分野:, (工,染織)

重要無形文化財正藍染技術保持者の千葉あやのは、脳内出血のため、3月29日宮城県栗原郡の自宅で死去した。享年90。1889(明治22)年11月14日宮城県栗原郡に生まれた。幼少より機織りに優れ、1909(明治42)年6月に千葉家に嫁いでからは、姑から三代目として藍染めの技法を伝授された。1955(昭和30)年5月「冷染正藍染」の伝承者として、重要無形文化財技術保持者に指定された(後に冷染は自然の温度で発酵されるため、不適当として冷染を除去し「正藍染」と訂正された)。1963(昭和38)年1月「河北文化賞」を受けた。1966(昭和41)年4月勲五等瑞宝章を受章。栗駒町に古くから伝わる正藍染の技法は、麻(大麻)と藍(縮藍)の種まきから行い、栽培、糸作り、藍建て、織、染と一貫してその作業を一人の手で行い、藍を自然の温度で発酵させるのが特徴である。従って自家用及び少量の依頼品がその生産量である。後継者養成にもつとめたが、現代ばなれの著しい技法・工程であるため少数の後継者にとどまった。

出 典:『日本美術年鑑』昭和56年版(245-246頁)
登録日:2014年04月14日
更新日:2023年09月13日 (更新履歴)

引用の際は、クレジットを明記ください。
例)「千葉あやの」『日本美術年鑑』昭和56年版(245-246頁)
例)「千葉あやの 日本美術年鑑所載物故者記事」(東京文化財研究所)https://www.tobunken.go.jp/materials/bukko/9827.html(閲覧日 2024-04-26)

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