末永一夫

没年月日:1975/02/11
分野:, (洋)

二科会会員の洋画家末永一夫は、2月11日午前2時30分、敗血症のため名古屋市の聖霊病院で死去した。享年63歳。末永一夫は、明治44年(1911)7月20日、岐阜市に生まれ、旧姓安岡(昭和16年まで)、昭和7年(1932)岐阜師範学校専攻科を卒業した。昭和16年第28回二科展初入選、翌17年北川民次に師事、以後毎回二科展に出品入選、昭和26年36回展出品の「瀬戸の山」「海」で特待賞をうけた。昭和31年二科会会友に推され、同37年(1962)に会員に推挙されて、同43年二科会員努力賞をうけている。その間、昭和34年丸栄画廊での個展をはじめ、同49年日動画廊名古屋支店、41年丸物画廊、44年日動画廊名古屋支店などで個展を開催した。また、昭和49年(1966)フランスのサロン・ド・コンパレーゾン、42、45年サロン・ドートンヌなどにも出品して昭和44~45年メキシコに写生旅行している。一方、名古屋市立汐路中学校をはじめ教職にあって、戦後の創造美術教育運動に参加し、昭和33~34年にはCBCテレビで児童画についての放映に出演している。
二科展出品作品略年譜
昭和16年(1941)28回展「工作」、29回展「お掃除」、30回展「待避壕」、昭和21年31回展「水産市場」「靴工場」、32回展「石炭のある風景」「森のある風景」、昭和25年35回展「瀬戸風景」、36回展「瀬戸の山」「海」、37回展「瀬戸風景」、38回展「堀川風景」、39回展「瀬戸の山」、40回展「瀬戸風景」「陶土採掘」、41回展「陶土採掘場」、42回展「陶土採掘場」、43回展「石炭石採掘場A、B」、44回展「石炭岩の山」、45回展「瀬戸の山B」、46回展「団地造成」、48回展「北陸の海A、B」「瀬戸風景」、49回展「団地造成」「崖」、昭和40年50回展「早春の箱根」「丘陵の畑A、B」、51回展「珪砂工場のある風景」「瀬戸風景」、52回展「団地のある丘」「陶土の山」、53回展「みかん山A、B」、54回展「削ずられていく蜜柑山」「樹のある蜜柑山」、55回展「ハカランダの咲く丘(タスコ)」「タスコの丘」、56回展「タスコの丘」、57回展「タスコの丘」、58回展「シャボテンと岩山」、59回展「海」。

出 典:『日本美術年鑑』昭和51年版(291頁)
登録日:2014年04月14日
更新日:2023年09月13日 (更新履歴)

引用の際は、クレジットを明記ください。
例)「末永一夫」『日本美術年鑑』昭和51年版(291頁)
例)「末永一夫 日本美術年鑑所載物故者記事」(東京文化財研究所)https://www.tobunken.go.jp/materials/bukko/9722.html(閲覧日 2024-04-18)
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