宮入行平
刀匠で重要無形文化財保持者の宮入行平は、11月24日心不全のため長野県上田市小林脳外科病院で死去した。享年64。本名堅一。大正2年、祖父の代からつづく坂城町の鍛冶屋に生まれた。刀匠として出発したのは、昭和12年24歳の時で、東京赤坂の刀匠栗原昭秀の日本刀鍛錬所に入門し、翌13年の処女作が大日本刀匠協会展で名誉賞となった。同15年には同展文部大臣賞を受賞した。戦後は郷里坂城町で作刀を始め、30年の日本刀剣保存協会主催の日本刀作刀の第1回美術審査会から同34年まで連続5回にわたり“日本一”の特賞を独占し、昭和38年3月、刀匠の重要無形文化財(人間国宝)として二人目の指定となった。その作風は豪壮堅実な相州伝といわれ、特に“古刀”の地はだは風格があり、独特なものといわれる。現在では奈良県の月山貞一氏とともに刀剣では二人だけの人間国宝で、戦後を代表する刀鍛治であった。
出 典:『日本美術年鑑』昭和53年版(285-286頁)登録日:2014年04月14日
更新日:2023年09月13日 (更新履歴)
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例)「宮入行平」『日本美術年鑑』昭和53年版(285-286頁)
例)「宮入行平 日本美術年鑑所載物故者記事」(東京文化財研究所)https://www.tobunken.go.jp/materials/bukko/9529.html(閲覧日 2024-10-10)
例)「宮入行平」『日本美術年鑑』昭和53年版(285-286頁)
例)「宮入行平 日本美術年鑑所載物故者記事」(東京文化財研究所)https://www.tobunken.go.jp/materials/bukko/9529.html(閲覧日 2024-10-10)
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