根来實三

没年月日:1975/04/30
分野:, (工,鋳金)

重要文化財・茶の湯釜(肌づくり)技術保持者で日本工芸会正会員の鋳金家根来實三は、老衰のため、4月30日、横浜市の自宅で死去した。享年86歳。明治21年11月20日和歌山県生まれ、明治38年大阪郵便局通信生養成所を卒業。茶の湯釜の美しさにひかれ当時裏千家の御用釜師であった佐々木彦兵衛の門に入り修行し、後に裏千家の御用釜師となった。大正14年8月末に上京し、同年9月始めから当時帝室技芸員で東京美術学校教授の香取秀真に師事する。文展無鑑査となる。戦後、昭和21年の第2回展で「四方釜」が特選となる。昭和27年の第8回日展では出品依嘱、その時の作品は「濤々釜」。茶釜づくりの名工として昭和48年3月27日重要無形文化財に指定され、同年勲四等瑞宝章を受章した。自らを「未熟者だから」と弟子はとらなかった。

出 典:『日本美術年鑑』昭和51年版(297頁)
登録日:2014年04月14日
更新日:2023年09月13日 (更新履歴)

引用の際は、クレジットを明記ください。
例)「根来實三」『日本美術年鑑』昭和51年版(297頁)
例)「根来實三 日本美術年鑑所載物故者記事」(東京文化財研究所)https://www.tobunken.go.jp/materials/bukko/9516.html(閲覧日 2024-04-26)
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