福岡青嵐

没年月日:1954/12/11
分野:, (日)

青龍社社人福岡青嵐は12月11日老衰のため大阪府北河内郡の自宅で死去した。享年76歳。本名義雄。明治12年熊本県に生れ、同36年東京美術学校日本画科を卒業した。昭和2年大阪美術学校教諭となり、昭和8年「匠童語」を初めて青龍社に出品、同10年には社人にあげられ、以来没する年の秋まで同展に出品をつづけた。主に歴史的人物にモチーフをとり、抑揚をもつた一種くせのある筆勢は独特のもので、いわゆる青龍社調の中にあつて異彩を放つていた。戦前に於ける明恵伝の連作、また戦後淡白な傾向を深めた「コラコラ塚夜語」「逸勢の女」などその作風をよく示すものといえよう。
主な作品
昭和8年 匠童話 第5回青龍展出品。
昭和9年 陶業 第6回青龍展出品。
昭和9年 梅の大原 第2回春の青龍展出品。
昭和10年 丙丁童子 第7回青龍展出品。
昭和11年 光 第8回青龍展出品。
昭和11年 洛中洛外 第4回春の青龍展出品。
昭和13年 明恵伝 第10回青龍展出品。
昭和13年 文芸所々 第6回春の青龍展出品。
昭和14年 明恵伝(続) 第11回青龍展出品。
昭和14年 宇治点雪・瀬田夕映(六曲一双) 第7回春の青龍展出品。
昭和15年 明恵伝(続) 日観(右)苅磨島(中)月観(左) 第12回青龍展出品。
昭和16年 明恵伝その四(完) 第13回青龍展出品。
昭和16年 モラエス道人 第9回春の青龍展出品。
昭和17年 蕃椒酒 第14回青龍展出品。
昭和17年 機略 第10回春の青龍展出品。
昭和18年 都史五節 第15回青龍展出品。
昭和19年 明恵後伝 第16回青龍展出品。
昭和20年 絵師良秀 第17回青龍展出品。
昭和21年 奥の細道 第18回青龍展出品。
昭和22年 吉野の西行 第19回青龍展出品。
昭和23年 李白、陸羽 第20回青龍展出品。
昭和24年 最初の伝道 第21回青龍展出品。
昭和25年 桃源山市 第22回青龍展出品。
昭和26年 コラコラ塚夜話 第23回青龍展出品。
昭和26年 栂尾培茶 春の青龍展出品。
昭和27年 逸勢の女 第24回青龍展出品。
昭和27年 柿右衛門湖畔 春の青龍展出品。
昭和28年 良寛と芭蕉 第25回青龍展出品。
昭和29年 賀名生 賀名生遷幸、吉野より遷幸、小次郎松、梅月、記念の額 第26回青龍展出品。
昭和29年 菜根譚 春の青龍展出品。

出 典:『日本美術年鑑』昭和30年版(181頁)
登録日:2014年04月14日
更新日:2023年09月13日 (更新履歴)

引用の際は、クレジットを明記ください。
例)「福岡青嵐」『日本美術年鑑』昭和30年版(181頁)
例)「福岡青嵐 日本美術年鑑所載物故者記事」(東京文化財研究所)https://www.tobunken.go.jp/materials/bukko/8844.html(閲覧日 2024-04-19)

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