望月三起也

没年月日:2016/04/03
分野:, (漫)
読み:もちづきみきや

 漫画家の望月三起也は4月3日、肺腺がんで死去した。享年77。別名牧英三郎、M・ハスラーで活動。
 1938(昭和13)年12月16日、神奈川県横浜市生まれ。57年神奈川県立神奈川工業高校卒業。建築会社に就職するも、漫画家へなるべく、1年余りで退社する。出版社に持ち込み原稿をするなかで、60年「特ダネを追え」が『少年クラブ』に掲載されデビューとなる。その後堀江卓、吉田竜夫(タツノコプロダクション)のアシスタントを勤める。62年「ムサシ」(『少年画報』)、63年「隼」(『少年キング』)、64年「秘密探偵J」(同上)、「ケネディ騎士団」(『少年ブック』)などで、60年代のマンガシーンにヒット作を送る。「秘密探偵JA」と「ケネディ騎士団」 は、当時の映画007シリーズの人気もあり、国際色豊かな物語とアクションシーンに見られるダイナミックな構図などで人気を得た。また望月は、65年「適中突破」(『少年ブック』)67年「タイガー陸戦隊」(『少年キング』)など戦記漫画での資料を駆使する力量やメカニックの描写の精巧さをもって、読者を魅了していった。60年代後半は最も連載が多い時期だが、69年の「ワイルド7」は代表作となった。かつて犯罪を犯した者たちが警察組織の一部となり、「眼には眼を」にならって悪党たちに刑を実行していく。やがて権力抗争に巻き込まれ、非情な抗争劇が展開する。約10年に渡る連載中、72年テレビ版、2011映画版も製作されるなど長い人気をもつ作品であり、87年に「新ワイルド7」、1995(平成7)年に「続・新ワイルド7」を発表している。73年「ダンダラ新撰組」(『週刊少年ジャンプ』)で、第1回愛読賞を受賞。以降は女性誌や一般週刊誌にも活動をひろげ、73年「バラのイブ」(『女性セブン』)、81年「サムライ教師ボギー」(『週刊プレイボーイ』)などを連載、2000年代初頭まで活躍した。没後の2016年、第45回日本漫画家協会賞特別賞を受賞。熱狂的なサッカーファンとしても知られた。

出 典:『日本美術年鑑』平成29年版(538-539頁)
登録日:2019年10月17日
更新日:2023年09月13日 (更新履歴)

引用の際は、クレジットを明記ください。
例)「望月三起也」『日本美術年鑑』平成29年版(538-539頁)
例)「望月三起也 日本美術年鑑所載物故者記事」(東京文化財研究所)https://www.tobunken.go.jp/materials/bukko/818701.html(閲覧日 2024-04-26)

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