宮嶋美明

没年月日:1985/06/13
分野:, (洋)

二紀会委員の洋画家宮嶋美明は6月13日午後8時41分、急性心不全のため千葉県船橋市の済生会船橋済生病院で死去した。享年72。大正元(1912)年9月5日新潟県北蒲原郡に生まれる。本名正一。昭和17年第12回独立美術協会展に「赤とんぼ」で初入選し以後同展に8回出品するが、同28年より二紀会に移り「夕暮の街」「工場」を出品、同32年第11回同展に「消えてゆく川」「街の母子」を出品して同人賞、翌年第12回展に「たそがれの家路」「死刑台に死す」「街に狂える人」「夜なかの客」「娘の父は死す」を出品して同人努力賞、翌34年同第13回展に「死」「癌」「喰」「魚」「涙」「夢」を出品して同人優賞、同45年第24回展に「心臓移植」「研究と失敗」を出品して黒田賞を受賞する。人体をモチーフとして現代社会の悲哀を描き問題を提起する。暖かい灰色を基調とする柔らかい色彩と静かな構図の中に強靭な主張を込め、代表作に「生命」のシリーズがある。
二紀展出品略歴 10回(昭和31年)「都会の裏街」、15回(同36年)「歌」、20回(同41年)「人工授精」、25回(同46年)「やすらかに」「無情」、30回(同51年)「別れ」「離婚」、35回(同56年)「蝕」「飢」

出 典:『日本美術年鑑』昭和61年版(253頁)
登録日:2014年04月14日
更新日:2023年09月13日 (更新履歴)

引用の際は、クレジットを明記ください。
例)「宮嶋美明」『日本美術年鑑』昭和61年版(253頁)
例)「宮嶋美明 日本美術年鑑所載物故者記事」(東京文化財研究所)https://www.tobunken.go.jp/materials/bukko/10091.html(閲覧日 2024-04-19)

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