下川都一朗
独立美術協会会員の洋画家下川都一朗は、10月28日、不明熱のため福岡県久留米市内の病院で死去した。享年77。大正3(1914)年10月18日、福岡県筑後市に生まれる。昭和8(1933)年日本大学文学部西洋哲学科を中退。同13年応召して病を得、後脊椎カリエスとなり長く病床生活にあって絵画に志す。坂本繁二郎の指導を受け同17年第12回独立展に「村」で、同年第29回二科展に「鶏と家族」で初入選。のち独立展へは出品を続け、同25年第18回展に「黄色の庭」「盆地風景」を出品して独立賞を受け、同35年同会会員となる。同39年より2年間パリに滞在し、アンデパンダン展などにも出品する。同51年にも再渡欧した。現代日本美術展、日本秀作美術展などにも出品。風景、人物も描いたが、晩年には動物、特に牛、馬をよく描いた。対象の写実的描写にとどまらず、色彩、形体ともに心象を表わすよう変更を加えて静謐な作風を示した。
出 典:『日本美術年鑑』平成2年版(254頁)登録日:2014年04月14日
更新日:2023年09月13日 (更新履歴)
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例)「下川都一朗」『日本美術年鑑』平成2年版(254頁)
例)「下川都一朗 日本美術年鑑所載物故者記事」(東京文化財研究所)https://www.tobunken.go.jp/materials/bukko/10024.html(閲覧日 2024-12-05)
例)「下川都一朗」『日本美術年鑑』平成2年版(254頁)
例)「下川都一朗 日本美術年鑑所載物故者記事」(東京文化財研究所)https://www.tobunken.go.jp/materials/bukko/10024.html(閲覧日 2024-12-05)