龍村平蔵〔2代〕

没年月日:1978/11/28
分野:, (工)

 古代裂の研究復原者として知られる龍村平蔵は、11月28日急性心不全のため、京都市左京区の京大付属病院で死去した。享年73。本名謙。明治38年4月28日大阪市に生まれ、京都第三高等学校を卒え(文科乙類)、昭和4年東京帝国大学文学部美学美術史学科を卒業した。この年4月より翌年8月まで、欧州各国にゴブラン織など研究のため遊学し、同9年龍村織物美術研究所を創設した。翌10年国宝調査委員会委員嘱託となり、昭和12年には東京帝室博物館の裂類(大宝相華唐草文錦、鴛鴦唐草文飾鹿文錦等)の復元、研究をはかった。昭和23年国宝調査委員となり、同25年には文化財専門審議会専門委員をつとめ、また京都市立美術大学、京都工芸繊維大学の講師となり、後進の育成にもあたった。昭和41年には宮内庁より正倉院宝物の古裂の調査を依嘱された。この年二代目平蔵を襲名し、43年には新急転長和殿「春秋の間壁面(清光)(寂光)」のタペストリーを制作し、この年さらに興善寺所蔵の(光樹対鹿錦)の復元研究及複製を完了し、複製の過程を「幻の錦」と題し、NHKTVにより放映された。46年には古代錦の研究で貞明皇后記念蚕糸学術賞を受賞した。昭和51年株式会社龍村平蔵織物美術研究所を創設し、雅号を光翔として、新作品には旧名謙に由来する象形文字「受益」の落款を織り込むことにした。

出 典:『日本美術年鑑』昭和38年版(137頁)
登録日:2014年04月14日
更新日:2015年12月14日 (更新履歴)
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