板垣鷹穂

没年月日:1966/07/03
分野:, (学)

 東京写真大学教授、美術評論家の板垣鷹穂は、7月3日午前零時35分、ボーエン氏病のため東京・信濃町の慶応大学病院で死去した。享年71才。板垣鷹穂は明治27年(1894)10月15日、東京に生れ、独協中学、第一高等学校を経て東京帝国大学文学部(美学専攻)に入学、在学中の大正9年、東京美術学校講師(西洋美術史、西洋彫刻史担当)となり(大正15年まで)、大正10年東京大学を中退、大正13年文部省在外研究員としてヨーロッパに留学、西洋美術史を研究し、大正14年帰国した。著作活動は、大正12年「新カント派の歴史哲学」(改造社)にはじまり、近世ヨーロッパ美術の研究を中心とした研究を数多く発表した。中期以後は、建築・都市・写真・映画などの新しい表現分野についても積極的に評価し、広い視野にたった評論活動を展開し、戦後は、東京大学講師、武蔵野美術大学講師、早稲田大学教授、東京写真大学教授などを歴任し、美学、美術史を講じて後進を指導、晩年は芸術家の<個性>の構造解釈に深い関心をよせ、最後の論文は「INDIVIDUALITY AND SOCIETY-A Methodological Essay on the History of Italian Art(個性と社会)」(ANNUARIO 3、ローマ日本文化館)であった。
主要著作年譜
新カント派の歴史哲学(改造社・大正12)、西洋美術主潮(岩波書店・大正12)、近代美術史潮論-民族性を主とする(大鐙閣・大正15)、フランスの近代画、西洋美術史要、K・シュミット:現代の美術(訳書)、芸術と機械との交流(岩波書店・昭和4)、国民文化繁栄期の欧州画界、イタリアの寺(芸文書店)、現代日本の芸術(信正社・昭和12)、ミケランジェロ(新潮社・昭和15)、造型文化と現代、建築(育生社弘道閣・昭和17)、芸術観想(青葉書房)、写実(今日の問題社)、レオナルド・ダ・ヴィンチ(新潮社・昭和20年)、芸術概論(理想社・昭和23)、肖像の世界(六和商事出版部・昭和25)

出 典:『日本美術年鑑』昭和42年版(145頁)
登録日:2014年04月14日
更新日:2015年12月14日 (更新履歴)
『日本美術年鑑』に収録されている以下の記事にも「板垣鷹穂」が含まれます。
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