大西博

没年月日:2011/03/31
分野:, (洋)

 東京藝術大学准教授の大西博は3月31日、滋賀県長浜市の琵琶湖上で釣舟転覆水難事故に遭い死去した。享年49。
 1961(昭和36)年6月18日、徳島県池田町に生まれる。東京都立保谷高等学校を卒業し、82年に東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻に入学。テンペラ絵画と油絵具の併用技法である混合技法を学び、1989(平成元)年に同大学大学院美術研究科油画技法・材料第一研究室を修了。フランドルやドイツの絵画に憧れ、92年から97年にかけてドイツのニュルンベルク美術大学絵画科に留学。ドイツ滞在中、自らが外国人であり日本人であるという認識から、キャンバスや油絵具等、それまで慣れ親しんできた画材と距離を置き、和紙に日本画の技術で描くことを試みるようになる。帰国後は東京藝術大学油画研究室、続いて油画技法・材料研究室の非常勤講師を担当し、2002年より同研究室の常勤講師となる。03年には東京藝術大学アフガニスタン文化支援調査団第三次調査団に参加、カブールでのラピスラズリの原石との出会いをきっかけとしてその精製法に取り組み、画材メーカーと水彩絵具「本瑠璃」を開発。自身の制作においても、同画材を使用したモノトーンの静謐な作風に到達する。06年、東京藝術大学美術学部絵画科(油画技法・材料)助教授となる。死の前月に開催された個展(表参道画廊)では南禅寺塔頭天授庵に設置される襖絵十二面を発表。没後の12年には東京藝術大学大学美術館陳列館で、同大学油画技法・材料研究室の主催により「大西博 回顧展 ―幻景―」が開催された。

出 典:『日本美術年鑑』平成24年版(431頁)
登録日:2015年12月14日
更新日:2015年12月14日 (更新履歴)
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