加藤幸兵衛

没年月日:1982/04/11
分野:, (工,陶)

青磁と金襴手で知られる陶芸家加藤幸兵衛は、4月11日午後2時12分、脳コウソクのため岐阜県多治見市の県立多治見病院で死去した。享年88。1893(明治26)年12月27日、岐阜県多治見市に4代目幸兵衛の長男として生まれ、号は福寿園。1921(大正10)年5代目を襲名し、30年第11回帝展に「瓜形陶製壷」が初入選する。32年第13回帝展に「磁器草花文手付壷」を出品、また同年加藤唐九郎らと陶芸研究団体「掬香会」を設立し、中国陶磁の研究も進める。50年には安藤知山らと陶芸研究のため「美陶会」を結成、月1回の研究会を行なった。この間、40年岐阜県より技術保存の指定を受け、50年経営の行き詰まった岐阜県陶磁器試験場場長となり、73年までその経営と技術指導に当たった。一方、48年パリ万国博覧会での日本陶磁展に出品し、52年全国陶芸展審査員、56年日本工芸会正会員となる。また55年以降日本伝統工芸展に出品し受賞を重ねている。中国古陶磁をはじめ桃山期の志野・織部・黄瀬戸も研究、深い色調をたたえる青磁を得意とした。67年勲四等瑞宝章受賞、73年岐阜県重要無形文化財の指定、及び多治見市名誉市民の称号を受け、74年日本工芸会理事となる。82年没後正七位となり、また幸兵衛賞が設けられた。

出 典:『日本美術年鑑』昭和58年版(271頁)
登録日:2014年04月14日
更新日:2023年09月13日 (更新履歴)

引用の際は、クレジットを明記ください。
例)「加藤幸兵衛」『日本美術年鑑』昭和58年版(271頁)
例)「加藤幸兵衛 日本美術年鑑所載物故者記事」(東京文化財研究所)https://www.tobunken.go.jp/materials/bukko/9875.html(閲覧日 2024-11-01)

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