道明新兵衛〔6代目〕
工芸組紐技術の無形文化財指定保持者、道明新兵衛は10月11日東京都台東区の自宅で逝去した。明治12年6月27日新潟県三保市に生れ、旧名を半蔵といった。同35年12月五代道明新兵衛の婿養子となり、家業の組紐制作に従事した。昭和8年五代の死去により家督を継ぎ六代新兵衛を襲名した。昭和35年工芸組紐技術の無形文化財指定保持者に指定され、更に翌36年、多年研究製作に努力した功績により黄授褒章を授与された。なお逝去と同時に勲六等瑞宝章を授けられている。明治35年、五代道明新兵衛の婿養子となってから没年迄、約60余年に亘り、我国独自の工芸組紐(甲冑、刀剣等の附属組紐、神社仏閣関係の経巻、絵巻手筥の紐、其他有職故実関係の紐等)の修理、復原、創作に専念従事して、皇室関係、博物館、東京美術学校(現芸大)を始め全国公私の工芸品の大部分を手掛け、広く一般に組紐を普及させた。其の間、現七代新兵衛(長男)を助手として、岡倉天心、横山大観、小堀鞆音、松岡映丘、香取秀眞等と共に研究を続け、現在各地に散在する国宝品其他名品に附属する組紐約1000点の製作を行った。
出 典:『日本美術年鑑』昭和48年版(89頁)登録日:2014年04月14日
更新日:2023年09月13日 (更新履歴)
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例)「道明新兵衛〔6代目〕」『日本美術年鑑』昭和48年版(89頁)
例)「道明新兵衛〔6代目〕 日本美術年鑑所載物故者記事」(東京文化財研究所)https://www.tobunken.go.jp/materials/bukko/8980.html(閲覧日 2024-12-13)
例)「道明新兵衛〔6代目〕」『日本美術年鑑』昭和48年版(89頁)
例)「道明新兵衛〔6代目〕 日本美術年鑑所載物故者記事」(東京文化財研究所)https://www.tobunken.go.jp/materials/bukko/8980.html(閲覧日 2024-12-13)