清水幸太郎

没年月日:1988/11/15
分野:, (工,染)

 長板中形の重要無形文化財保持者(人間国宝)の染色家清水幸太郎は、11月15日午後7時40分、心不全のため葛飾区の自宅で死去した。享年91。明治30(1897)年1月28日、長板中形の型付師であった清水吉五郎を父に、東京本所に生まれる。同43年本所堅川尋常高等小学校を卒業後、父のもとで家業の修得にあたり、昭和11(1936)年、父の死去によりその号であった松吉を襲名する。同27年東京長板本染中形協会主催の競技会に出品し、金賞および銀賞を受賞。同29年第1回日本伝統工芸展に出品し、以後第15回までほぼ毎年出品を続ける。長板中形は、型付けに長板を用い、布地の表裏両面に染色するもので、表裏の文様を合わせる修練が必要なうえ、小紋と比較して二倍手間がかかり、かつ木綿という素材の性格から普段着として普及し高価なものとはならなかったため、職人の数が減少した。その中にあって伝統技法を守り、昭和30年重要無形文化財保持者に認定された。長板中形京追掛網代小松文浴衣、長板中形京追掛朱竹文浴衣などが東京国立近代美術館に所蔵されている。

出 典:『日本美術年鑑』平成元年版(276頁)
登録日:2014年04月14日
更新日:2015年12月14日 (更新履歴)
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