川勝政太郎

没年月日:1978/12/23
分野:, , (学,石造美術研究)

 大手前女子大学教授・「史迹と美術」主幹、文学博士川勝政太郎は、12月23日、京都市京大附属病院で肺炎のため死去した。享年73。明治38年5月22日、京都市中京区に生れ、大正12年京都市立第一商業学校卒業。昭和初年頃より天沼俊一博士に師事し、古建築、石造美術を研究。昭和3年9月スズカケ出版を創立し、「古美術史蹟・京都行脚」を出版、23歳の時である。昭和5年11月「史迹美術同攷会」を設立主宰、雑誌「史迹と美術」を発刊した。刊行後50年、没後もなお継続刊行され500号を超える。この間多くの学者が寄稿し、考古、美術史界に貢献した。とくに石造美術研究の分野で学問的体系を確立した川勝の指導を仰ぎ、全国の遺品が紹介され、新たな学問分野の基礎をさらに固めた。昭和12年より14年末まで、重要美術品等認定の関連調査につき、文部省嘱託となる。昭和15年4月、京都大学文学部史学科考古学選科に入学、18年3月卒業、この間梅原末治博士に師事した。昭和18年10月、近畿日本鉄道の嘱託に就任、大和中心の古美術調査研究を行った。昭和20年5月京都市文化課嘱託、昭和29年、財団法人京都史蹟会理事となる。昭和33年平安京の研究により文学博士の称号を受ける。昭和34年大阪工業大学教授に就任。昭和36年2月より41年3月まで文部省文化財専門審議会専門委員(臨時)を委嘱される。昭和44年大手前女子大学教授に就任。48年11月多年に亘る石造美術の研究により紫綬褒章を受章。広範な実地調査に基づく研究の成果は多数の論文として「史迹と美術」誌を中心に発表され、単行図書も多い。
主要著書は下記の如くである。
古美術・史蹟京都行脚 昭和3. 9 スズカケ出版部
京都美術大観の内編 昭和8. 4 スズカケ出版部
古建築入門講話 昭和9. 6 スズカケ出版部
石造美術概説 昭和10. 3 スズカケ出版部
石造美術 昭和14. 2 スズカケ出版部
京都古銘聚記(共著) 昭和16. 3 スズカケ出版部
燈籠・手水鉢 昭和17. 8 河原書店
大和の石造美術 昭和17. 10 天理時報社
日本の石仏 昭和18. 6 晃文社
梵字講話 昭和19. 2 一條書房
石造美術と京都(京都叢書) 昭和21. 5 高桐書院
京都古蹟行脚 昭和22. 1 臼井書房
古建築鑑賞 昭和22. 8 河原書店
京都石造美術の研究 昭和23. 6 河原書店
「大和路新書」室生・当麻・南山城・東大寺 昭和27年-29年 綜芸舎
史蹟行脚・京都 昭和30. 7 京都出版社
日本石材工芸史 昭和32. 1 綜芸舎
京都古寺巡礼 昭和39. 4 社会思想社
石の奈良 昭和41. 12 東京中日新聞出版局
石造美術入門 昭和42. 5 社会思想社
歴史と文化・近江 昭和43. 4 社会思想社
京都の石造美術 昭和47. 6 木耳社
燈籠 昭和48. 2 集英社
石造美術の旅 昭和48.10 朝日新聞社
石仏の大和路 昭和49. 6 朝日新聞社
日本石造美術辞典 昭和53. 8 東京堂出版
「近畿日本ブックス」伊賀 昭和54. 2 綜芸舎

出 典:『日本美術年鑑』昭和54年版(327頁)
登録日:2014年04月14日
更新日:2015年12月14日 (更新履歴)
『日本美術年鑑』に収録されている以下の記事にも「川勝政太郎」が含まれます。
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