納富進

没年月日:1976/02/25
分野:, (洋)

洋画家、日展評議員、一水会常任委員納富進は、2月25日午後7時5分食道ガンのため長崎大学付属病院で死去した。享年64。明治44(1911)年5月12日佐賀県鹿島市に生まれた。昭和10年文化学院美術部を卒業、在学中の同8年第20回二科展に「青根風景」が初入選したが、同12年一水会展に初入選、同18年「北国」で一水会賞を受賞、また、同16年第4回文展に「故郷雨期」が初入選、翌17年文展で「往還」が岡田賞を受賞するなど、以後一水会展、日展を中心に作品発表を行った。戦後郷里鹿島市に居住したが、三鷹市にもアトリエを構え、主に村の風物をモチーフに簡明でおおらかな画風を築いていった。同36年一水会常任委員となり、同41年日展評議員となった。同44年第1回改組日展に出品した「竜王峠」で文部大臣賞を受賞、同45年佐賀県文化功労賞を受けた。また、浮立亭の筆名で随筆もよくした。没後、勲四等瑞宝章が贈られ、同52年には佐賀県立博物館で遺作展が開催された。

出 典:『日本美術年鑑』昭和52年版(272頁)
登録日:2014年04月14日
更新日:2023年09月13日 (更新履歴)

引用の際は、クレジットを明記ください。
例)「納富進」『日本美術年鑑』昭和52年版(272頁)
例)「納富進 日本美術年鑑所載物故者記事」(東京文化財研究所)https://www.tobunken.go.jp/materials/bukko/9708.html(閲覧日 2024-04-27)

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