加納辰夫

没年月日:1977/08/15
分野:, (洋)

洋画家加納辰夫は、8月15日脳血せんのため島根県安来市の日立病院で死去した。享年73。号莞蕾。昭和6年独立美術協会の創立 に際し、第1回展に「静物」を出品し、同18年の第13回独立展では「四十八人の群像」で受賞するなど戦前は洋画家として活躍したが、戦後中央画壇を離れて帰郷し、フィリピンのモンテンルパ刑務所に収容されていた日本人戦犯108人の釈放を求めて当時のフィリピンのキリノ大統領に嘆願書を送り続け、同28年7月の戦犯釈放実現に尽力した。その後再び絵筆をとり水墨画に転向、莞蕾と号して独自の画風を示した。同52年3月画集『莞蕾墨彩』を刊行した。

出 典:『日本美術年鑑』昭和53年版(271頁)
登録日:2014年04月14日
更新日:2023年09月13日 (更新履歴)

引用の際は、クレジットを明記ください。
例)「加納辰夫」『日本美術年鑑』昭和53年版(271頁)
例)「加納辰夫 日本美術年鑑所載物故者記事」(東京文化財研究所)https://www.tobunken.go.jp/materials/bukko/9688.html(閲覧日 2024-04-23)

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