片岡華江

没年月日:1977/10/22
分野:, (漆)

 蒔絵師、国の無形文化財保存技術者(螺鈿)である片岡華江は、10月22日急性心不全のため川崎市の高津中央病院で死去した。享年88。明治22年8月20日東京都台東区に生まれる。本名照三郎。同38年東京美術学校教授川之辺一朝に入門し螺鈿文様の制作をはじめ、大正元年大正天皇並びに皇后御召車内部と食堂車の鏡縁の螺鈿文様を作製、同3年東京美術学校漆工科の螺鈿彫鏤技術の講師を委嘱され、昭和18年までつとめた。この間、昭和3年東京美術学校監造御飾棚螺鈿鳳凰菊文様を作製したのをはじめ、翌4年伊勢神宮式年祭にあたり、御櫛函、轆轤函の銀平文、雲鳥文を神宮司庁の監修によって作製、同年皇太后職の依頼により東京美術学校監造紫檀造果物棚の螺鈿柘榴文様を作成、同6年には東京美術学校監造国会議事堂皇族室扉ならび御帽子台の螺鈿文様を作製した。戦後の同32年、文化財保護委員会の依頼により螺鈿技術記録を作成、同年無形文化財保存技術者に認定された。同34年第6回日本伝統工芸展出品作「螺鈿鷺之図手筋」が文化財保護委員会買上となり、同年宮内庁侍従職の依頼で壺切御剣の鞘の螺鈿を修理。同37年教王護国寺蔵重要文化財刻文脇息一基並びに彩画曲物笥一式を保存修理、同39年には国宝中尊寺金色堂の保存修理に伴う宝相華文様螺鈿を作製した。同41年勲五等瑞宝章を受賞した。

出 典:『日本美術年鑑』昭和53年版(280頁)
登録日:2014年04月14日
更新日:2015年12月14日 (更新履歴)
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