牧野司郎

没年月日:1972/07/03
分野:, (洋)

洋画家、光風会名誉会員の牧野司郎は、7月3日東京都品川区の自宅で病気のため死去した。享年79歳。明治26年7月2日千葉県に生まれた。土地の高等尋常小学校高等科3年を修業すると、好きな洋画の勉強を志し、明治39年7月から同舟舎絵画研究所に入り小林万吾の指導を受け、また和田英作につき学んだ。明治44年第5回文展に「矢車草の花」が初入選、これがはからずも宮内省御買上品となる光栄に浴した。以後官展に出品した。その間、大正3年第1回二科展に「自画像」が入選したこともあり、同6年5月からは不動貯金銀行に入行、昭和16年1月には同銀行取締役副頭取となるまでに昇任した(同20年5月、同銀行合併により退社)。更に同26年12月、東京都民銀行監査役(同38年退任)。このように銀行勤務のかたわら制作に励んだ異色の作家であり、大正7年第5回光風会初入選の「庭の雪」で今村奨励賞をうけ、大正13年同会会員となった。また昭和10年には第二部会会員となり、昭和11年文部省招待展に無鑑査で「画室の一隅」を出品、晩年の46年4月、光風会名誉会員に推挙された。主要作品には前記のほか、「室」(第13回帝展)、「仏像」(第14回帝展)、「船と本」(第15回帝展)などがある。

出 典:『日本美術年鑑』昭和48年版(80-81頁)
登録日:2014年04月14日
更新日:2023年09月13日 (更新履歴)

引用の際は、クレジットを明記ください。
例)「牧野司郎」『日本美術年鑑』昭和48年版(80-81頁)
例)「牧野司郎 日本美術年鑑所載物故者記事」(東京文化財研究所)https://www.tobunken.go.jp/materials/bukko/9406.html(閲覧日 2024-04-26)

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