石川公一

没年月日:1963/05/30
分野:, (学)

 学習院大学助教授で元国立近代美術館渉外調査係長、石川公一は5月30日原因不明の脳内出血の為、都下小金井市桜町の桜町病院で急逝した。享年42才、石川公一は大正10年1月10日東京府小石川区に生れた。昭和17年山形高等学校を卒業、同年京都大学法学部政治に学科入学した。翌18年12月、召集を受け海軍に入り、19年9月応召中のまま、京大法学部を卒業、20年に復員すると更に東大文学部哲学課に入学して美学を専攻した。卒業後は大学院において造型美術の理論を専攻、主にドイツ現象学派の美学を学んだ。27年に国立近代美術館調査渉外係長に就任、その後、陳列保存係長に代ったりしたが、38年3月迄同館に勤務、38年4月、学習院大学助教授として転任し同校の哲学科、史学科また大学院での講義を担任していた。尚33年から35年へかけてドイツに留学、ミュンヘン大学でゼーデルマイヤーに師事す、帰国後は、一層美学、美術史の問題に深い関心と研究を進めていたところで、その急逝が惜しまれる。
略年譜
大正10年1月10日 東京府小石川区に生る。
昭和17年4月 京都大学法学部政治学科入学
昭和18年12月 応召により海軍に入隊
昭和19年9月 京都大学法学部卒業(応召中)
昭和20年9月 海軍中尉として復員
昭和21年4月 東京大学文学部哲学科入学(美学専攻)
昭和24年3月 同卒業、4月大学院入学
昭和27年11月 大学院退学し、国立近代美術館調査渉外係長に就任
昭和33年12月~35年3月 ドイツ学術交換学生として渡独、ミュンヘン大学美術史研究室またバイエルン中央美術研究所等に学ぶ。
昭和38年4月 学習院大学助教授に就任
昭和38年5月 5月30日没。
主要論文、著書等
流行について(被服文化26年1月~27年5月)。作品の構造(美学8号、27年4月)、現代の美意識-近代芸術の変貌(文化服装学友会誌20号、27年3月)、未開芸術の問題(美学9号、27年7月)、明治大正の洋画(みづゑ4月号、28年)、表現の問題としてのリアリズム、その一(美学22号、24号、30年、31年)「近代洋画の歩み」(今泉篤男共著)東都文化出版昭和30年、「デーゼルマイヤー:近代芸術の革命」(美術出版社32年、絵画の時間性(文芸日本、32年1月)、浪漫主義の美術(近代思想史講座4巻、弘文堂33年)、浪漫主義の絵画(前同、4巻、34年)、抽象美術(前同、8巻、34年)、カンディンスキー(美術手帖7・8月号、35年)、前田寛治のリアリズム(みづゑ11月、35年)「ドイツ美術」(前川誠郎と共著)講談社37年
〔翻訳〕「ゼーデルマイヤー:中心の喪失」(阿部公正と共訳)美術出版社近刊、「L.Venturi:Painting and painters-How to look at the picture」(和光功と共訳)みすず書房近刊、

出 典:『日本美術年鑑』昭和39年版(132頁)
登録日:2014年04月14日
更新日:2015年12月14日 (更新履歴)
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